さて、廃線探訪の二回目。今回も旧国鉄矢部線跡を巡っていこうと思う。
八女市上陽公民館のすぐ近くに旧北川内トンネルがある。
現役時代はこのトンネルを抜けて黒木方面に列車が走っていた。
このトンネル、探索に行くときは注意しなければならない。
なぜなら春夏秋冬どの季節に行っても藪で覆われている。長袖長ズボンは必須。
地面もぬかるんでいるのでサンダルなんかで行くものじゃあない。
しばらく人が来た形跡はないし、スプレー缶などのゴミは落ちてるし、きちんと手入れされてる風はない。
トンネル内にはフックが残されていた。昔はここに荷物を吊るしていたのだろうか。
こういう画は廃墟好きの心をくすぐる。
トンネルの先は壁で覆われていた。
このトンネル、常に天井から水が落ちている。ここが洞窟ならとっくに鍾乳石や石筍だらけになっていてもおかしくない。
たぶん山の地面に吸い込まれた水がトンネルの天井から滴っているのだと思われる。
トンネルの側に行くと水滴が滴る小気味好い音が聞こえる。
この様子がまるで地底湖みたいで面白い。
トンネル手前の線路はコンクリートで埋められている。
形状から察するに、ここは水槽の役割をしているようである。
そして、この水槽の中の水がはんぱなくきれいなのだ。
マジで透明。透き通ってる。
水の底をよく見ると、生痕が見られる。
この生痕、カワニナによるものだった。
カワニナとは淡水に棲む巻き貝の一種で、ホタルの幼虫の餌なのだ。
つまり、この旧北川内トンネル跡にはホタルの幼虫がいる可能性がある!!
色々とネットで調べた所、北川内トンネル跡はホタルの養殖場になったという記述を見つけた。
個人のブログなので情報の信憑性はわからないが、可能性としてありえなくもない。
以前八女の青◯会議所の人達が「今の子供達は不幸だね。身近にホタルいないんだもん。いつかホタル復活させたいね」と嘆いていたが、いやいや、いるじゃねぇかこんな近くに!!
てか、この旧北川内トンネルの野放し感なんなの。
ホタルの幼虫がいる可能性あるならもっとちゃんと保存しないとだめでしょうに!!
まさかここもかの有名なたちばな体育館のSLみたいに遺したはいいが責任者不在の廃れ放題なのだろうか。
線路が走っていた場所は道路になっている。
トンネル以外は矢部線の痕跡が根こそぎ削り取られていた。
K.Takeshita